ゆにさんの日記

京都・左京区の鍼灸院 鍼灸師ゆにさんの日記

ひとり養生合宿(考察編)

さて、3泊4日にわたる、自宅での養生合宿について、記録は前記事をどうぞ。

 

humanite.hatenablog.com

 

 

 

今回は考察です。

 

「合宿」とする意義

私も仕事柄、いろんな意味で自分の健康を売ってますので、「一応」気をつけて養生して暮らしているつもりです。

ですが、わざわざ「合宿」と自分でネーミングしたのは「絶対必ずやるんだ!!」という追い込みをかける目的です。

体育会系なら寒気がして目を背けたくなる、しかし逆らうことは許されない「合宿」…まあ、普通の人は別にネーミングはどうでもいいのですが、数日間と決めて体調を整えることを再優先にするぞ!という行動をやってみるのはよさそうです。

 

 

合宿の直接の効果

率直なところを言うと、すごく体調が良くなったな!という実感は今の私にはさほどなかったです。なぜならまあまあ元気だから…!

ってこれ、啓蒙にもなんにもならないのでそれはまあ、もう、ごにょごにょごにょ…

 

しかし、やっぱり、うっすらと、なんというのか茶碗についた茶渋みたいにこびりついていた疲労感というのはすっきりしました。

これについては特に、睡眠をしっかり取ったことに効果を感じました。しかも早めの時間の就寝が効いている印象です。

 

この合宿中は施術の予約も立て込んでいてなかなかハードだったのですが、朝から晩までしっかり働いても、夜まだ家事をする余力がしっかりと残っていましたから、しっかり寝て、ちゃんと食べることは短期的にもしっかりとした充電をしてくれることが実感としてわかりました。

 

いま、疲れがたまっているな、とか、体調があまり良くない、という人は、短期でもしっかりまとめてやることでかなり体調の変化を感じられるはずです。

 

 

合宿の、もっと大きな効果

たった3〜4日間やってみてまず思うことは、

「なんでこんな普通のこと、できてへん時があるんやろ」

でした。

 

私の生活が、通勤時間も短く労働時間も決まっていてどちらかと言えば短く(9時から18時までの間、みっちりということはほぼない)、人間関係のストレスもないというかなり恵まれている中で、それでなんで、できないことがあるんやろ?

 

どうやってしっかり養生するか、ということ自体よりも、食べる・寝る・風呂に入るをしっかり確保したとき、その3つを圧迫してくる、

「それ以外」

って一体なんなの?ということがはっきりした、ということが、この合宿の一番の効果と言えます。

 

そしてそのはっきりとした「それ以外」の中で、自分が本当に残しておきたいものは何か?ということがあぶり出される。

 

もし、食べる・寝る・風呂に入るを確保して「それ以外」をする時間がないとしたら、その生活自体、すこやかに毎日を過ごし続けるのは難しい、ということかもしれません。

 

 

ちなみに私の場合の「それ以外」は、ものすごくありきたりですが「携帯電話をぼーっと見ている、特にSNS」「ぼーっとテレビを見ている」「何回読んだかわからない漫画を読む」でした。

 

その他「仕事の後に歩いてスーパーに行く」「近所の喫茶店に行って長居する」もできなかったことですが、これはいらないのか、というと微妙なラインで、今の自分には必要なことのようにも思えるので、なんとか時間を捻出したいところ。

 

「着物を縫う」「写真の整理」なんかもこの期間やめておいたことですが、これはそもそも仕事のある日にやろうと思うのが間違いのようなので、休日にやることリストに移します。

 

この辺の区分は本当に人によります。

携帯電話だって、時間を食う悪者みたいに言われていますが、人とのつながりの中ですばらしい役割もたくさんあるし、スーパーに行くことが気晴らしでなくて悪者になる人もあると思います。

 

そういう、「この時間は自分にとって必要か?」という価値判断を一度厳密にやってみる、というきっかけにもなる数日間になります。

 

養生というのは「自分のやりたいことを、やりたいだけやるために、それができるからだを作る」ことが目標のはず。

だからスタートとして、自分のやりたいことは何か?をはっきりさせるのは実は、すごく大事なことじゃないでしょうか。

 

 

すごく忙しいみなさんへ

先ほども書きましたが、私は、いまの自分の状況が養生的に恵まれていることはよくわかっているつもりです。

仕事が忙しい、職場が遠い、子育てや家事の絶対量が多い…

いろんな事情をみなさん、お持ちです。

 

でもそういう時にも一度、「合宿」をしてみてもいいと思います。きっと養生以外の「それ以外」がたくさん出てきて、はみ出ることも多いでしょう。

でもそうやって、「多すぎるんだ」ということを自覚することも大事だと思います。

そうでないと、「大変なのは自分が悪い」「なんでこんなにダメなんだ」という方向に行ってしまって、より自分が辛くなるから。

 

いま自分はいろんなことの量にやられているな、という自覚ができたら、忙しい、大変、疲れている、はともかく、そんな自分を責める、ということは避けられます。

そして、そんな中でも自分が大事にしたいものを大事にして、少なくとも気持ちが少しは落ち着きます。

 

 

まとめ

さて、どうだったでしょうか。

 

私も数日のことでしたし、いままとめて書いてきましたが、きっと人によっても気づくポイントが違うと思います。

いろんな人の意見を聞いてみたいところです。

 

でもとにかく、どこかの週末で2日間でもいい、一度決めてやってみませんか、養生合宿。おすすめします。