少し間があいてしまいましたが、前回の続きです。
クセになって、やめられない?!
前回は「こんな症状のときに使ってもらえたら」というお話でしたが、今回は「どれくらいの頻度や期間で使えばいいの?」というお話です。
鍼灸はクセになって、やめられないから一度行くとずっと行かないとならないみたいでこわい、というふうに思っている人もあるようです。
結論を言えば、そんなことはないです。
ただ、「ああ、やめたくない…行きたい…」ってなるかもしれませんふふふ。
ともかく、いろんな頻度で来ていただいている方があるのでそれぞれについて実例っぽく(守秘義務!)書いてみようと思います。
結果的に回数が多い方から順に書いてみます。
数日おきに
急性症状の方です。
例えばぎっくり腰や捻挫など、「けが」の方が多いですね。
こういった「急に」の場合は、最初は続けて、間を詰めて来てもらった方がぐっとよくなります。
高校生サッカー部員など、捻挫した!急いで治したい!の場合などは、都合がつけば毎日来てもらったりしています。
こういった使い方は長くは続かないので、治れば卒業、もしくは間隔をあけていきます。
(それぞれの施術時間は短時間になりますので、こういった場合は施術料も値引きしたりしています)
毎週1回、2週に1回と決める
今なんとかしたい不調が割と強くあって、ぐっと良くしていきたい場合、そして良くなった状態を維持していきたいという方がこのペースです。
たとえば肩こりがひどい、歩けないというほどではないけれどもずっと長く腰痛がある、生理痛がひどい、食欲が出ないなど、「慢性」になっていてそれが日常になってしまっている、という場合など。
最初の数回は1週間に1度で来ていただいて、もちろん症状によりますがそれでぐっとよくなってきて、施術の効果が長く保たれるようになってきたら、2週、3週と間をあけていきます。
たとえば肩こりがひどい、と来られて、3回は毎週施術していたのですが、だんだんに
「体が、こっていない姿勢を覚える」
ということになってくると、翌週「実は今日はまだ肩がさほどこってません。でもこの間の生理、痛みがほとんどなかったのでこの感じ続けたくて」となってきて、それでしたら2週おきにしましょうか、となります。
他にも、お仕事で心身ともに酷使されていて、疲れがたまってきそうなタイミングで悪くなりきらないように、と来られる方も。
それでも、「元に戻りきる前に」来ていただけると、少しずつですが上向きに進んでいきます。
開業当初から1年、2週おきに続けて来てくださっている方があるのですが、冷えにくくなったり、「今年は花粉症が楽!」とおっしゃったり、しています。
月に1回、季節に1回と決める
月に一度や観光ついでに季節に1回と決めて来られる方です。
たった今困っている、という症状はさほど強くなく、時間をかけて体質を変えていきたい、というふうに考えておられる方が多いです。
もしくは、京都以外の遠くから来て下さる方。観光旅行をセットにしてらっしゃる方も。
その時の体のこりや痛み、一時的な疲れなどはその時にはっきりわかる効果がありますが、率直に言ってそれがずっと続くようには、1回の施術ではできません。
ですので、家に帰ってから続けていただける養生の方法やエクササイズなどもお伝えするようにしています。
とはいえなかなか施術とそういった説明を1時間で詰め込むのは難しいので、「からだミーティング」という、お話だけをするメニューをご用意しています。
毎月、来られたら「この1ヶ月どうでしたか?」と、養生してみてのいろいろな変化をお尋ねします。
そこで出てきた変化で、それまでに疑問に思われたことに答えたり、次のひと月に気をつけることを確認したりしています。
中にはひと月の間、疑問に思われたことをメモにまとめてこられたり、体重の変化などをグラフで見せてくださったりする方もあります。
「困った!」その時に
「今日いける?」「明日どう?」みたいなご予約ですね。
起きたら首が痛い、腰をぎくっとやった、風邪がなかなか抜けない、出張帰りで疲れてる、近所で店主に会って「午後空いてますよ」(笑)など、
いま、困った!
という時に使っていただきます。
疲れた、とか寝ちがえ、とかだったらその1回ですみますし、大きい問題だったら2・3回続けて終わり、ということもあります。
そうだ京都、行こう
京都に行く用事があるから、ついでに行ってみようかな、という方。
旅行のはじまりに寄ってもらって、京都でごはんをおいしく食べてもらったり。
楽しく京都で過ごして、帰りに寄ってもらって新幹線ですっきり爆睡してもらったり。
続けてもらって体調を変える、のとは違いますが、その時のすっきり感はありますよ。
なので、いつでもいつまででも
どうでしょうか。
1回行ってみよう、でも、続けるつもり、でも、どんなふうにでも来ていただけるっていうことがおわかりいただけたでしょうか。
店主の私からは、ゴリ押しで「さあ次はいつ、いつですか!?」ということは一切言いません。
自分の感覚で、続けたい、続けたら何か変わるのかも、と思われたら続けていただいたらいいですし、もうずいぶんよくなったなと思えば卒業していただいても。
銀閣寺へ、南禅寺へ、ホホホ座へ来られるついでに立ち寄っていただいても。
いいように使っていただいたらと思っています。
私たち鍼灸師やからだに関わる仕事をしている者は、いつも自分をアップデートし続けるのが仕事です。
ですから、いつ来ても新しい何かに出会えるんじゃないでしょうか、ということは言えます。
そこはいつも、出し惜しみしないでいるつもりです。