子を産んで実家に住まわせてもらっていて、いつになくテレビを長く見るようになっているのですが、よく言われる「シニアシフト」というやつなのか、「健康」についての番組がとても多いです。
本当は怖い、系の病気の話、健康になる食べ物、ダイエット…ありとあらゆる方向から体のことをやりますが、基本をつかんでいない(人が多いと思われる)視聴者に向けて、断片的で刺激的なものを勧めるという内容が多くて、見ていて心配になります。
そういういわゆる「リテラシー」の問題は話が長くなるので別の機会にするとして。
筋肉や骨、関節といった「運動器」と「動き」についての内容もわりと多いです。
ここ数日見ていても、「姿勢を良くするトレーニング」や、「体の不調を解決するストレッチ」といった番組が続きました。
うちの父は持病があって姿勢や動きに問題を抱えている部分があります。
そして仕事もじっと座っていることが多く、生活に「運動」があまりありません。
ずっと気になってはいたのですが、なかなか私も手が回らずに、父になにかアドバイスをしたりすることができていませんでした(体をみる仕事の人ってそうなりがちじゃないですか…?)。
それが、産後実家で暮らして、一緒になんとなくテレビで流れる体操、運動を一緒に見ているうちに、父も興味を持つし、私もその興味を後押しするような解説をしたりして、父が少しずつ実際にやってみるようになってきました。
私がしつこく、ほんとにしつこく、
「病気って選べないけど、体を動かすのは自分でがんばれるし、絶対体はこたえてくれるんだよ〜」
と言い続けたのがよかったのか、毎朝決まった体操をし、昼間や夕方にも気づいたらうーんと伸びをしたりしています。
うれしいです。
少しずつ体は変わっていくだろうから、楽しみです。私が。
今回、私が家にいて、父の持病のことや動きの状態を見ることができているので、父がテレビを見て興味を持った体操やトレーニングの中から、「今はこれをやるといいよ」と選んで勧めることができています。
これって実はけっこう大事なことです。
テレビというのは、幅広い人たちに向けて放送をしているので、対象を絞れないという特徴があります。なので、内容は「一般化」されたものになりがちです。
たとえば今朝も「猫背の人にはこのストレッチ!」という番組をやっていましたが、
「どうして猫背になっているか?」
というのは、実は人によって原因が違っています。
原因が違うのに、同じアプローチで体操や運動をすれば、いいように作用する人もあれば、合わない場合はいい結果が出なかったり、最悪、害になったりもします。
そういうことがないように、一般化して当たり障りのないものを紹介している…んだったらいいんですけど、一部の番組では極端なものを紹介していることもあるので、困ります。
テレビで紹介される方法を試すには、そういうリスクもあるんだ、ということはわかっておいた方がいいです。
そしてそのリスクを避けて、自分に合ったものを選ぶためには、
「自分の体の状態を知る」
ということから始めるしかありません。
これは運動だけでなく、食事や生活のリズムなどについても同じことです。
そのために、私たちのような「体についての専門家」を使ってくれればいいんです。
私は特に、私を使って、患者さんクライアントさんが「自分でわかるようになる」ことが大事だと思っているので、
・何がいいか、私が選んで伝える
・何がいいか、自分で選べるようになってもらう方法を伝える
の両方から仕事をしています。
…って、今休業してるんですけど(すみません)。
まずは、なにかやってみたときに「それは自分に合っているのか」を考えてみること、そして「感じてみること」を大切にしてみてください。
なにかやってみて、体に変化はおきたか?そしてその変化は自分にとっていいものか?そうじゃないか?を丁寧に感じてみてください。
テレビで言ってたから、だけじゃなく、まず自分の「感覚」を磨いてみてくださいね。
その「感覚」があれば、プロに相談したときにもより大きい成果を受け取れるはずです。
父が興味を持ったので、さっそくテキスト買ってきてみました。来週スタートみたい。