ゆにさんの日記

京都・左京区の鍼灸院 鍼灸師ゆにさんの日記

梅雨が苦手なみなさまへ

 

humanite.hatenablog.com

 梅雨が苦手、という方はけっこういらして、私も以前は梅雨時はほとんど生産的な活動が行えないみたいなことになっていたのですが、しっかり養生すればそれも少しはましにできます。

その話を少々。

 

梅雨はどういう季節か

梅雨は、日本では春と盛夏の間にくる雨季で、「夏のはじまり」ととらえます。

雨が多くて暗いことが多いけど、夜明けも早くなってきて夏の気配。

 

気候としては、

・気温が夏日近くまであがる日と、梅雨寒で20度前後になる日とがある

・雨の日が多く、降らなくても曇りで湿度が高い日が多い。

・日照時間が少ない

 

ちなみに中国ではこの雨季が盛夏のあとに来るのでおそろしい湿気と暑さで本当にしんどいです…

 

 

なぜ梅雨は体調がよくないか 「脾」が弱る

からだは思っている以上に天候の影響を受けます。

梅雨の天候がからだに与える影響には、以下のようなことがあります。

・気温差、湿度の差、気圧の変動など変化の大きさに対応するのが大変

・湿気がからだに入ることで「脾」に負荷がかかる

・陽の光に当たれないので陽気が充電できない

 

「脾」ってなに

この中で「脾」というのが東洋医学の考え方です。

「脾」というのは臓腑のひとつで、

・食べ物を消化・吸収して体を栄養する

・その過程で食べ物から水分を取り出す

・水や栄養を心や肺に送って全身にめぐらせる

・思考・推測・注意力・記憶などをになう

 

という働きをしていて、性質としては、

・乾燥を好み、湿気を嫌う

・正常に働くには陽気の助けが必要

 ということがあります。

 

つまり、湿気が多く、陽気に当たりにくい梅雨の時期には調子を崩しやすいんです。

 

 

ぜんぶ梅雨のせいだ

では梅雨時に調子を崩すとどうなるか。

・ 消化・吸収の調子をくずす

 →食欲が出ない

 →食欲がコントロールできないでだらだら食べる

 →お通じがよくない 便秘、ゆるい便、下痢

 →栄養が足りないので元気が出ない、だるい

・元気が足りないので頭痛、めまい、鈍痛などが起こる

・思考が停止、まとまらない

・思い悩んでくよくよする

・くよくよするだけで行動できない

 

その不調、梅雨だからかも!!? 

 

 

なぜ「私」は梅雨に調子が悪いのか?

この不調、出る人と出ない人がいますね。

「梅雨だね〜、めんどくさいね〜」ぐらいですむ人と、もうばったりと寝込んで動けない、動けない自分を責めてますます動けない人と、その違いは何か。

 

天候の影響を受けやすいのは、まず元気のない人

というとバッサリやりすぎですが、東洋医学ではエネルギーである目に見えない「気」がからだを動かすとともに、外界と自分の「壁」も作っています。

気が足りない人は壁が薄くなってしまっていて、外気の影響をもろに受けてしまいます。

湿気が多いとからだに湿気が入ってきやすいですし、気温や気圧の変化の影響も受けやすくなってしまいます。

 

それから、梅雨の影響を受けやすい人、ということでは、からだの中に余分な水が多くある人

外気からも湿気が入ってきますから、ますます水があまってしまって、湿気が苦手な脾が弱ってしまいます。

体質もありますが、甘いもの・炭水化物・脂っこいものを多くとっていると、それらはからだの中で水になってしまうので、余分になりがちになります。

 

そして、卵が先か鶏が先か、になりますが、くよくよと考えがちな人は、この時期脾を悪くしますし、脾が悪くなることでくよくよしてしまって、どちらにしても全然動けなくなってしまいます。

 

 

どうやって梅雨を乗り切るか

今からなんとかなることと、どうにもならないことがあります。

 

気温や気圧、湿度の変動が多いことや、日照時間が少ないことは変えられません。

「元気がない」のも今さら急にどうにかすることはできませんから、ちょっとずつ。

それ以上のどうにもならないことは「あきらめる」しかありません。

これも立派な養生だと思います。しょうがない!来年までに改善しときましょう。

 

どうにかできることはしていきましょう。

・除湿機やエアコンをうまく使って、部屋の気温や湿度をできるだけ一定にする

・布団乾燥機を使って、寝る時の湿気を少なくする

・晴れ間が出たときには万難を排して陽に当たる

・体の中に水を多くしないようにする

 →なんとかして汗をかいて出す お風呂でもいい

 →甘いもの、炭水化物、脂っこいものを食べすぎない

 →そもそも食べすぎない

 →水分をとりすぎない

・くよくよと考え過ぎない

 →「なんで考えすぎてしまうのかしら」とか考えすぎない。それは梅雨だから。  

 

 

鍼灸院でできること

ハイ出ましたよ。宣伝タイム。

では、梅雨で調子が悪いときに、鍼灸施術は何をしてくれるか。

 

余分な水を体から出し、しっかりとちょうどよく食べて、くよくよしない。それをするのは結局は「自分」です。

そうできるように、「脾」のはたらきを助けることが鍼灸施術ではできます。 

鍼と灸を使って脾のはたらきを助けて、いまからだに余っている水を出し、消化吸収をよくするお手伝いをします。

それから、湿気が入って動きにくくなっているからだの流れを作ります。

 

そして、食生活その他の暮らしかたを楽にする方法を一緒に考えます。

 

施術を受けてだるさ、くよくよから一時的にでも浮上して、それから生活をちょっと工夫していけば、梅雨を少しでも楽に乗りきれるはずです。

 

長い目で見れば、来年の梅雨に向けて(!)、水がたまりにくく、流れやすいからだを作っていく準備も始められます。

 

 

 

もはや梅雨に入って「決められない」という人も多くなってからの更新になりましたけど、梅雨を少しでも楽に過ごすために、来ていただけたらお手伝いしますし、来られない方には何かこの記事が助けになれば幸いです…