ゆにさんの日記

京都・左京区の鍼灸院 鍼灸師ゆにさんの日記

きちんと感じる

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ずっと大好きで、「日々ごはん」は3巻あたりからずっと出たら買ってで追ってきた、高山なおみさんのトークショーに行ってきました。

 

 

高山なおみさんは料理家で、もちろん料理の本をたくさん出していらっしゃるのだけれど、私はどちらかというと文筆家として好きで、もっと言うと「日記」として書いて表現される、高山なおみさんの「日常」のファン。

 

「日々ごはん」は、タイトル通り毎日のごはんが書かれてもいるけれど、高山なおみさんの毎日の暮らしようが、そのままに書かれています。

毎日のごはんだけを1年間写真で記録したものは「チクタク食卓」という本にまとめられていて、それはそれですごく好きな本です。

食べない日があったり、買ってきたもので済ませたり、インスタントラーメン食べたり。

 

チクタク食卓〈上〉

チクタク食卓〈上〉

 

 

高山なおみさんの日常は、喜んだり、泣いたり、機嫌を損ねたり、テンションが上がって泣いちゃったり、旦那さんと喧嘩したり。

旦那さんのランニングについて行って、すぐやめて歩いちゃったり。

からだがこちこちになって鍼灸へ行ったり。

朝まで飲んで次の日夕方まで寝てたり。

いろんなことがあって、普通。

 

高山なおみさんはクウネルとか暮しの手帖とかにもよく載っていらっしゃって、「素敵な生活」チームに入っている方だけど、そしてそういうのにすごく憧れてきた私だけど、なんだ、全然普通の生活で、だらだらしちゃったり、してもいいんだなー、っていうことをこの日記をずっと読んできて感じていました。

 

 

それでもやっぱり高山なおみさんは素敵で、それは何か、ということが昨日、実際に姿を拝見して、お話しされているところを見て、少しわかった気がしました。

「自信のあることはなんですか?」

という質問に、

「感じることです。

 自分が感じていることには、自信があります。

 でも、みなさんもそうですよね?それしかないですよね?」

と、おっしゃったんです。 

 

 

自分が感じていることを、はっきり自覚して、それを軸に生きてらっしゃるんだな、と思いました。

人の意見とか、世の中の流行りとか、仕事の流れとか、そういうことじゃなくて、まず自分がどう感じているか?をちゃんととらえる。

そして、それにそって暮らす。

そういうことなんだなと思いました。

 

私もそうだったし、どうかすると今でもそういうことがあるけれど、やっぱり仕事が忙しいとその流れに追われたり追ってしまったり、家族があると家族の動きに合わせるということが多くなったり。

そういう時、「感じる」ということをできなくて、時間と段取りで頭の中がいっぱいになってしまう。

 

実際の問題として、仕事が忙しい、家族の用事が大変だ、ということは変わらなくて、自分の感じて、やりたいように暮らすことはできないとしても、

それと、感じたことをなかったことにする、というのは違います。

実際のことが自分の感じたこと望んでいることとは違っても、「自分が感じていること、感じているということ」をとらえて、自分の中においておくことは、その後の進み方や選択につながってくるはずです。

 

 

高山なおみさんは、昨日の会場に来られる間、電車の中でご自分が思ったこと考えたことを、メモにとって来られていました。

これまでに映ったご自宅の写真にも、気になった言葉を書き留めたメモがたくさん貼られていたりして。

感じたこと思ったことを、逃がさないで形にしてこられて、だから自分の輪郭がはっきりされているのかな。

 

 

今回は貴重な、「一人暮らしの料理メモ」や、出された絵本の草稿も会場に回してくださって見ることができて、頭の中を形にしていくのって、いいな、私もやろう、と思いました。

 

正直言って、行く前は絵本を出されたことにはあんまり興味を持っていなくて(失礼!)、料理家、文筆家の高山なおみさんファンとして行ったのだけれど、お話の中でいま、高山さんがどれだけ絵本を作りたいか!を聴いていて、やっぱり絵本も購入。画家さんのサインも一緒にいただきました。

絵本についてのインタビューはこちら。

d.hatena.ne.jp

 

 

トークショーが終わってサイン会になったのだけれど、書店の閉店時間がすぎても、一人一人にお話をしてくださって、サインをしてぎゅっと握手をしてくださって、そんなところを見ていたらもう、遅くまで引き止めているのも申し訳なくなって、会場で開会前に急いで書いたお手紙を渡して、お話はあまりせずに帰ってきました。

 

だいたい、どきどきして何しゃべっていいかわからないし!みなさん、なんであんなにたくさんお話できるんやろ…と、臨床や授業でしゃべりまくってるのにこういう時全然しゃべれない私でした。