ゆにさんの日記

京都・左京区の鍼灸院 鍼灸師ゆにさんの日記

「日々ごはん」と「富士日記」

 

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ずっと追い続けて買っている日記があります。

高山なおみさんの「日々ごはん」。

 

日々ごはん〈1〉

日々ごはん〈1〉

 

 たしか3巻の頃から「出たら買う」になって、12まで出て一旦完結。

最近になって「帰ってきた 日々ごはん」としてまた刊行されはじめました。

 

高山なおみさんの料理が好きで読み始めたのですが、高山さんの日々の生活の様子が好きで、ずっと追ってきました。

 

高山さんの毎日がとにかくたんたんと書かれて、その中に食事の献立が書かれているので、はじめはその献立を楽しみに買い始めたのですが、読み続けていると、ごはんよりも高山さんの暮らし方自体が好きになってきました。

 

「飲み過ぎて昼まで寝ていた」

「夫とけんか」

「夫と走り始めたけどしんどいから途中で歩いた」

「面倒になって食べないで寝た」

 

などなど、規則正しくもなく、楽しくなったり悲しくなったり、いろんな波のある毎日が描かれていて、そして、基本的にはよく眠っている。

そういう過ごし方が、なんかいいなあと思いました。

 

私は勤めだったから仕事の流れにどうにか乗る、という暮らしだったし、

「こうあらねばならない」にすごくとらわれていたから、自分の波に乗る高山さんの暮らし、いいなと思ったのかな。

 

今は自分の店になったけど、その前のものすごく忙しいサッカー部生活の頃にも、時間の枠は仕事に合わせても、過ごし方は自分の波をよく見よう、と思っていたのは、この日記のおかげが大きいと思う。

 

 

その高山さんが敬愛していたのが、武田百合子さんと「富士日記」。

「日々ごはん」が中断しているあいだ、富士の裾野に家を買った高山さんは「ぶじ日記」を書いていたくらい。

 

富士日記〈上〉 (中公文庫)

富士日記〈上〉 (中公文庫)

 

 

この「富士日記」、武田百合子さんが、作家であるご主人との山梨の別宅暮らしのことを書いたものなのだけど、これがもう、奔放で口が悪くて!

自由。

ご主人に腹を立て、道で無理やりに追い越した車に罵声を浴びせ、対応の悪い店員には「頭が悪い」。

 

でも、富士の雄大な自然に感動し、庭の草花を愛で、季節を感じた生活をして。

 

 

SNSにはみんなが毎日の「これよかった!」をシェアしていて、見てるとみんな毎日キラキラしてるみたいだけど、この2つの日記読んでると、

「毎日そんなにキラキラしてるわけないよなあ!」

という気持ちになります。

 

富士日記はトイレに置いててまだ中巻なので、続きも楽しみです。